自動車業界での就業経験談 その3
私が以前勤務していた自動車業界の経験を紹介します。
前回(その1)、前々回(その2)では
・業務内容
・勤務環境
・残業時間
・有給休暇
とご紹介してきましたが、「その3」では就業して思った事を紹介します。
〇業務負荷(肉体的)
設計業務は基本的に事務所内での作業ですので、肉体労働の要素は少ないです。
工場で出向く事も有りますが、重い荷物を運ぶ事や全力ダッシュみたいな事も有りません。
また、前回ご紹介した通り残業時間も過労死ラインに程遠いですし、有給休暇取得ノルマもありますので、拘束時間は短く、肉体的な負荷は軽かったです。
自動車業界は大型連休(GW・お盆・年末年始等)が有るため、海外旅行に行く人もいました。
しかし、管理職になると、非常に強い労働組合の組合員ではなくなりますので、上司は無双状態で仕事をこなしていました。
〇業務負荷(精神的)
残業時間制限・有給休暇取得ノルマが有る中で、業務を進めるには潤沢な人員を投入し
・
・
・
人海戦術で設計をしていく、
・
・
・
わけがない。
商品の原価は材料費や加工費等が含まれていますが、もちろん設計費用(人件費)も含まれます。
そのため、商品の原価低減のために設計費用(人件費)も削減されていきます。
自動車業界は価格競争が激しく、私の就業していた会社は設計費用の抑制に注力していたため、そもそも設計者自体が少数でした。
では、人海戦術を用いずにどの様に設計するのか・・・。
①無駄の排除
②アウトソーシング
①無駄の排除
まずは、優先順位の低い仕事は排除します。そのため、優先順位が高い仕事以外は残務として半永久的に残り続けます。また、工場への出張や現場対応は一人で行います。上司・先輩と同行するという行動の重複を排除します。
最終的には「考える時間」すら無駄だと言い出す人も、現れてしまうほど無駄?の排除に注力していました。
②アウトソーシング
単純作業は外注します。また、自社製造品と外注製品とし、設計自体を外注にします。また、自社製造品でも設計や製図は外部社員にしてもらいます。
何でもかんでも外注しちゃって、社員は何をするの・・・と思われるかもしれません。
社員は製造コストや生産性等の調整を関係部署と行っていました。
社員は関係部署との調整業務に終始することでネゴシエーター化してきます。
私の職場では「仕事ができる=調整能力が高い人」でした。
個人的に、無駄の排除と調整業務に終始することで精神的な疲弊が大きかったです。
〇結果・・・。
私は転職を決意しました。
理由は
・精神的な負荷。
・ネゴシエーターでなく、設計者になりたい。
・会社内で出世したいと思わなかった。
(管理職として、無双状態で仕事をしたくなかった。)
ここから、私の迷人生が動き出しました。